ヒルトングランドバケーションズの新宿オフィスで最近まで勤務していたスティーブン・クラウディと千恵さん夫妻は引退後に、HGVリゾートも立地するポルトガルのアルガルヴェ地方に移住しました。この地で第2の人生を謳歌するスティーブンさんに、2人の楽しい暮らしやポルトガルの魅力について聞きました。
Q アルガルヴェの暮らしのよさを教えてください。
A 使い古された言い方かもしれませんが、まず地元の人がとっても素晴らしいことです。引退前に、仕事でもプライベートでもこの地域をくまなく回っていたので、アルガルヴェの人たちの温かいおもてなしを何度も経験していたのはとても幸運でした。外国に行くと、いろいろまごついたり不安になってしまうものですが、アルガルヴェでは着いた瞬間からリラックスできます。地元の人達は話しかけやすく、日本と同じぐらい心から旅行者を歓迎してくれます。
それに、英語が話せる人が多いのは、とてもありがたいです。みんな「ボンディーア(おはよう)」「ボアタルデ(こんにちは)」とポルトガル語であいさつしてくれますが、ほとんどの人は英語が上手なので、スーパーマーケットやガソリンスタンドのスタッフとのやりとりもスムーズにできます。また、家族を第一に考える文化で、子供とお年寄りを大切にしていると強く感じます。もちろんそれなりの安全対策はとりますが、それも日本と同程度で大丈夫です。
気候は世界でももっとも過ごしやすいのではないかと思います。夏の乾燥した暑さは涼しい海風でやわらぎ、冬の寒さは温かい海水と降り注ぐ太陽のおかげで厳しくありません。4月から10月ぐらいまでは、乾期で雨はほとんど降らず快晴が約束されていますから、北西ヨーロッパからの旅行者が春から秋まで日光浴を楽しむためにやってきます。それに、いつも晴れているおかげで、写真
を撮るのにも最適です。
Q 地元グルメにはどんなものがありますか?
A 料理はいたってシンプルで、炭火で焼いた魚や肉、「カタプラーナ」と呼ばれる鍋で蒸し焼きにしたシーフードが有名です。ポルトガルのデザートにはよく卵黄が使われますが、これは古くから修道女がアイロンがけの糊付けとして使う卵白の残り部分を上手に利用するためだった、ともいわれています。アルガルヴェ特産のキャロブ、アーモンド、イチジクが材料のケーキやタルトを、美味しいコーヒーと一緒にいただくのが定番です。
ポルトガルのワインとなるブドウの品種は160種を超えるとか。聞いたことのない品種が使われていたら、それはたいてい素晴らしいワインだそうです。赤、白、ロゼ、グリーンワインなど様々なタイプが楽しめますが、レストランに行ったら、食後にポートワインを飲むお腹のスペースをお忘れなく。カジュアルなレストランでは、会計の前後に「サービス」としてポートワインをグラスで提供してくれることがよくあります。
スペインに慣れている方は、隣国なのにポルトガルはかなり違うことに驚かれると思います。ポルトガルの人はスペイン人より早起きで食事の時間も早いから、日本人にはなじみやすいでしょう。料理もスペインよりシンプルで脂っこくありません。食後のデザートのスイーツに使われているスパイスが違うので、かなり異なった風味を楽しめます。大航海時代にそれぞれの植民地で産出する食品が違っていたからだそうです。
Q なぜアルガルヴェに移住しようと決めたのですか?
A 引退後にどこで暮らすか、私達はいろんな選択肢を検討しましたが、よく知っていて地元に溶け込めるポルトガルが、一番だと思って決めました。ここで第2の人生を過ごそうと移住してきたヨーロッパの方が大勢います。アメリカからも少し、日本から来た方もいますよ。
私たちと同じ理由で来られた方々が多いのですが、経済的にお得だということも魅力の1つです。相続税がありませんし、年金などに対する所得税もとても低いんです。家の価格はリーズナブルですし、生活費もヨーロッパでは比較的安いので少し早めに引退した人が安定した生活をするのにとても向いています。移住者が多いおかげで孤独を感じることもないだろうと思っていました。
アルガルヴェは、アウトドア好きの方にはパラダイスです。私達もゴルフやテニス、ビーチ沿いをジョギングしたりを楽しんでいます。アルガルヴェ海岸周辺には34ものゴルフコースがあり、たいていのクラブでは観光客の招致に力を入れています。私達がメンバーとなったゴルフクラブでも、ビジターがラウンドすることも可能です。1年のうち360日はゴルフが出来て、大抵は半ズボンという軽装でプレイしています。
Q 気分転換をしたい時のおすすめを教えてください。
A 車に乗って国内やスペインを回るといいですよ。訪れた地で、歴史の重みがある素晴らしい建築を見たり、地元の料理を試してみるのはいいものです。アルガルヴェからは、車で2時間ぐらいでポルトガルの首都リスボンにもスペインのセビリアにも行けます。両方とも素敵な街ですから、ぜひゆっくり滞在してみてください。道路はよく整備されているうえに、渋滞がありません。旅行の際はレンタカーが一番だと思います。主な都市間を走る電車や長距離バスも、便利で低価格です。 レストランではチップを払いますが、10%もあれば十分です。
Q ヴィラモウラを訪れる日本のクラブメンバー様に、滞在を楽しむためのアドバイスをお願いします。
A 妻の千恵の話では、旅行情報は日本大使館とポルトガル観光局のウェブサイトを参考にするとよいそうです。自然が好きな方は、アルガルヴェの海岸に行ってみてください。岩が海水で浸食されてできたたくさんのアーチ、ビーチやビーチ沿いに続く丘は、広々とした眺望で知られています。ヴィラモウラ周辺では、ボートやカヤックでのドルフィンツアー、海岸沿いの柔らかい岩が浸食されてできた洞窟ツアーなどがあります。歴史ある街を散策するのが好きな方は、ファロ、タヴィラなどをおすすめします。
潮に流される砂で絶えず形の変わっているリーア・フォルモーザと、その外側にあるファロ島も素晴らしい所で、この一帯は自然保護区になっています。自然が多く残っている西側の海岸を探検するのも悪くありません。
海岸沿いの丘に点在する村々にはレストランがあって、「本日のおすすめ」とハウスワインをふところに優しい価格で提供しています。たいていのレストランからは、アルガルヴェの海岸が見られますから、食事をしながら輝く海と空の眺めを楽しむことができますよ。フラミンゴのようなアフリカにいると思われている鳥もたくさんいて、バードウォッチングが好きな方はとても満足できると思います。
Q 遊びに来たお友達は、何を気に入っていましたか?
A 私達のところに来る友人でさまざまな地元産品に興味のある方は皆、ルーレで土曜日に開かれるマーケットが大好きになります。オレンジの花やローズマリーからできたハチミツ、海水を使った塩田でできる花のような塩の結晶フロール・デ・サル、地元のコルク材で作ったアートや新作の工芸品が特に人気です。
アルガルヴェはバーやレストランが軒を並べる生き生きとした港町です。郷愁を誘われるポルトガル民謡のライブも体験してみてください。どんな旅行者もポルトガルらしい文化体験ができると思います。 ショッピングがお好きな方は、ルーレの近くにあるアウトレット・モールへ行ってみましょう。ありとあらゆるデザイナー・ブランドの製品を扱っています。
いかがでしたか? 皆様もポルトガルにぜひお越しください。私の話がお役立ったらとてもうれしく思います。
【ご滞在先の紹介】
ヴィラモウラ・ヒルトングランドバケーションズクラブ
アルガルヴェ地方の中心ファロから車で約30分のリゾート地ヴィラモウラにある緑に囲まれたクラブリゾート。現在、営業は一時停止していますが、今年の早い時期に再開予定です。滝のある美しい庭園やゴルフコース、豪華なプールなどの設備がそろっています。また、同じ敷地にあるヒルトン・ホテル内の、アルガルヴェ地方最大と言われる豪華なスパ(有料)も利用できます。
ポルトガルについては、クラブトラベラーマガジン秋冬号でも特集(P8~15)しています。
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