沖縄県外ではお目にかかることが少ない、島野菜。沖縄に滞在する際にはぜひ味わってみたい、色鮮やかで栄養豊富な野菜をご紹介します。
強い陽射しや海風を受け、沖縄独特の風土で育った島野菜は、抗酸化作用が強くミネラルも豊富です。すでになじみのあるゴーヤーは沖縄野菜の代表ともいえる島野菜ですが、まだまだ沖縄ならではの野菜は他にもたくさんあります。そこで、その種類や特徴、調理例などをご紹介します。
調理して食したい島野菜
ゴーヤーと同じく沖縄で親しまれている夏野菜の「ナーベーラー(ヘチマ)」。タワシに使うことでも知られているヘチマですが、食べたことがある方は意外と少ないのでは。実はビタミンやミネラルを多く含んでいるため、美容と健康にいい野菜のひとつです。
沖縄では開花から約2週間頃の若い実を食用にしています。皮は硬いですが、中の白い実はやわらかく、種ごと食すことができるため調理も簡単。火を通すとトロッとしたナスのような食感で、味噌汁や炒め物、煮物にも合う万能食材です。購入の際は表面が緑色で太すぎないものを選ぶのがポイントです。
実のまわりにヒダがついた独特な形状の野菜は四角豆。カットすると断面が四角形になることが名称の由来です。熱帯アジアが原産で、沖縄では新緑の季節をうりずんといい、草木が芽吹く美しい緑をイメージさせることから「うりずん豆」と呼ばれます。ほんのりと苦味があり、コリコリとした食感は一度食べるとクセになるおいしさです。
旬は7月〜11月。鮮やかな色を楽しむために、軽く茹でてからサラダや炒め物、天ぷらなどに用いるのがおすすめです。さやのヒダがきれいに揃っていて、美しい緑色のものを選び、常温保存しましょう。
冬になると沖縄の店頭に出回る島にんじんは、一般的なにんじんに比べて細長い形状が特徴です。沖縄では黄色い大根を意味する「チデークニー」とも呼ばれ、古くから滋養食として食べられてきました。ほのかに甘く、汁物や煮物、炒め物などに幅広く使われます。皮と実の部分に栄養があるため、皮はゴボウの調理のように軽くこそげ落とす程度に。
いきいきとした葉で、根の部分はまっすぐ長く伸びているもの、色味がきれいで表面がなめらかなものを選びましょう。葉が付いていないものは、軸の切り口が小さく黒ずんでないものを選び、冷蔵庫へ。
葉の表が緑、裏が赤紫色という珍しい色合いの野菜。沖縄では「ハンダマ」と呼ばれ、古くから血の葉・不老長寿の葉といわれ、薬草としても活用されてきました。ポリフェノールやアントシアニンが含まれているため抗酸化作用があります。加熱するとヌメリが出るのが特徴。
茹で過ぎると色や風味が損なわれるため、短時間でさっと茹で、水に浸します。和え物、お浸しの他、雑炊や汁物の具にするとほんのりきれいな紫色に。葉が大きく、色鮮やかで特に葉裏の紫が濃い色のものを選ぶといいでしょう。ハンダマの葉は乾燥に弱いので、濡れた新聞紙に包みビニール袋に入れ、できれば立てて冷蔵庫で保存してください。
パパイヤは、一般的には果物として認識されていますが、沖縄では熟す前の青パパイヤを野菜として利用します。調理する際には流水にさらしてアク抜きをしましょう。煮ると大根のような食感で、煮物や炒め物にもよく合います。また、パパインというタンパク質分解酵素を含むため、ダイエットや健康野菜としても注目されています。購入の際は、しっとりした緑色で重量感のあるものをお選びください。
島らっきょうは独特の辛みや香り、歯ごたえがあり、特有のニオイ成分アリシンにはビタミンB1の活性化を助け、疲労回復に良いとされています。塩もみして浅漬けにしたり、天ぷら、炒め物など、幅広い料理に使われる食材です。ふっくら丸みを帯びているものがおすすめです。
沖縄在来種の島かぼちゃは、少し水っぽくあっさりした味わいが特徴。煮崩れしにくいので、煮物や炒め物に向いています。購入の際は、皮の色が濃く、重いものを選んでください。
その他、「訪れたらぜひ味わいたい、沖縄の伝統料理」の記事で宮廷料理の東道盆に登場した「ターンム(田芋)」は、小芋を次々と増やすことから、子孫繁栄をもたらす縁起物として、お正月やお盆などの行事料理に多く用いられます。市場では蒸かされたものが流通しているため、下ごしらえの手間がいらないため調理しやすく便利です。
島野菜は地元沖縄でもお鍋やしゃぶしゃぶの具材として親しまれていて、レストランで豚しゃぶなどの鍋料理を注文すると、写真のように豊富な種類の島野菜が振る舞われます。スーパーマーケットや市場を巡り、お気に入りの野菜を見つけたら、リゾートのキッチンで料理にチャレンジしてみてはいかがでしょう。
今秋開業予定のザ・ビーチリゾート瀬底・ヒルトンクラブの各部屋にはキッチンを常設しています。ご自身で料理をしてその土地のものを食べることは、きっと特別なバケーションの思い出となりそうです。
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