それぞれにおめでたい意味や由来を持ち、縁起の良い食材を集めて作られるおせち料理。日本では新年を祝う伝統的な食文化として親しまれてきました。一方、世界にはどんなお正月料理があるのでしょうか。
年越しや新年の訪れを祝う風習は、海外の国々でもよく見受けられます。花火を打ち上げたり、カウントダウンイベントをにぎやかに楽しんだり、家族みんなで新年のスタートを喜ぶ感覚は各国共通ですが、特色が出やすいのがやはり食文化。そこで、ヒルトングランドバケーションズのクラブリゾートがある国や地域で、どのようなお正月料理が食べられているのかを調べてみました。
日本のおせち同様、縁起をかつぐアメリカ南部の料理
はじめにご紹介するのはアメリカです。アメリカでは、11月下旬のサンクスギビング・デー(感謝祭)からクリスマスにかけての約1ヵ月間が年末最大のイベント。ちょうど日本の年末年始と同じようなムードとなり、1年でもっとも気分が高揚する時期です。
ただし、除夜の鐘を聞きながら年越しそばをいただく日本の大晦日とは違い、アメリカでは年明けの瞬間はカウントダウンイベントで盛り上がり、各地でニューイヤー・パーティを夜通し楽しむ人々が大勢います。そんな時、食卓を囲んでごちそうが振る舞われますが、アメリカ南部で食されるのが「ブラックアイドピー(黒目豆)」と呼ばれる豆の煮込み料理や、この豆をジャスミンライスに加えた「ホッピン・ジョン」というまぜごはんです。
お正月にブラックアイドピーを食べる風習には諸説あり、その見た目がコインを思わせ、金運を象徴するからだとか。南北戦争時代、アメリカ南部は連合軍(北軍)に攻め込まれて食料に困窮していました。唯一残されていたのが家畜の飼料として放置されていたのがこのブラックアイドピー。西アフリカ原産の豆によって、南部の人々はかろうじて飢えをしのぐことができました。また、南部にはフランス系、スペイン系移民も多く、彼らのご先祖が正月に豆料理を好んで食べていたことから、幸運のシンボルとして欠かせない食材となったともいわれています。
アメリカ南部でクラブリゾートがある地方といえばフロリダ州が挙げられます。そして、フロリダの人気観光地オーランドには、ラス・パルメラス・ヒルトングランドバケーションズクラブをはじめ、計4つのリゾートがあります。
また、サウスカロライナ州もアメリカ南部特有の文化が花開いた地。とりわけ南部で最大・最古の港湾都市として知られるチャールストンでのバケーションは、昨年オープンしたリバティプレイスチャールストン・ヒルトンクラブがおすすめです。
イタリアで定番のお正月料理とは
ヨーロッパに目を向けてみると、グルメ大国といわれるイタリアにもお正月料理がありました。
南北に長いイタリアは、もともと複数の小国が集まってできた共和国。地域によって文化や伝統は少しずつ異なりますが、共通しているのは、クリスマスは家族で厳かに過ごし、大晦日やお正月は盛大な花火や爆竹を鳴らしてにぎやかに祝うということです。これは、悪魔や悪霊を退散させ、古くなった年を追い払うため。大きな音を立てて邪気を祓い、幸運を呼び込むのだといわれています。
そして、地域ごとにお正月のための伝統料理はあるものの、イタリア全土共通の定番料理として挙げられるのが「コテキーノ」と「ザンポーネ」です。これらはソーセージのようなもので、中身はいずれも豚肉に塩、コショウ、ナツメグ、シナモン、クローブなどを加えたミンチ。詰める外側の違いで呼び名が変わります。コテキーノはいわゆる腸詰め。ザンポーネは豚の足(ザンパは足という意味)の皮の中にミンチを詰め、燻製にしたものです。
さらに、コテキーノやザンポーネの付け合わせとなるのがレンズ豆「レンティッキエ」の煮込み料理。レンズ豆は栄養価が高く、保存がきくことから、古代ローマ時代から庶民の間で食されてきました。こちらもブラックアイドピーと同様、形がコインに似ているからでしょう。新たな年が「お金に困らない1年になりますように」という祈りが込められています。
イタリア・トスカーナ地方の中央に位置するボルゴ・アレ・ヴィニェ・ヒルトングランドバケーションズクラブは、1~3ベッドルームまで多彩な部屋タイプをご用意しています。
ポルトガルでは12粒の干しブドウで年越しを祝います
天ぷらやカステラ、金平糖など、かつてキリスト教宣教師らによってさまざまな南蛮料理を日本へ伝え、現代においても美食の国として知られるポルトガルにも、日本のおせち料理のように食べ物で縁起を担ぐ食文化があります。
ポルトガルの年末行事は、他のヨーロッパのキリスト教圏の諸国と同じように、やはりクリスマスがメイン。イブの日には家族が一同に揃って、伝統的な干し鱈を使った国民食「バカリャウ」をいただき、ポートワインやスパークリングワインで乾杯します。
食卓には他にも、七面鳥の丸焼きをはじめ、レーズンやクルミ、ドライフルーツがぎっしりと詰まったお菓子「ボーロ・レイ」などの名物料理が並び、華やかな気分は年が明けて1月6日まで続くといいます。これはイエス・キリストの誕生を祝いに東方の三博士がベツレヘムに駆け付けたのが1月6日だったからだとか。クリスマスの余韻をたっぷりと楽しみながら、年始にかけてのひとときを過ごすのがポルトガル流のお正月です。
そして、年越しには鐘の音を聞きながら12粒の干しブドウを食べるのが古くからの習わし。午前0時を知らせる12回の鐘がなる間に全てのブドウを食べ終えれば、願いが叶うといわれています。
ポルトガルのヴィラモウラ郊外の自然豊かな場所にあるのが、ヴィラモウラ・ヒルトングランドバケーションズクラブ。このリゾートがあるアルガルヴェ地方は、穏やかな地中海性気候に恵まれ、おいしい海の幸を味わえるレストランも豊富です。
姿形は変わっても、国それぞれで新年の訪れを祝う代表的なお料理があるものです。
気軽に海外渡航ができない昨今ではありますが、来年の年末年始はぜひ各地のクラブリゾートへ。その国や地域ならではのお正月料理を食べて過ごすのも、素敵な旅の思い出となるかもしれません。
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