コナコーヒー・カルチュラル・フェスティバルで触れる「ハワイのコーヒー文化」

ハワイ島のコナで、例年秋に行われる「コナコーヒー・カルチュラル・フェスティバル」をご存じですか？

こちらは、ハワイ州でもっとも長い歴史を持つフードフェスティバルの1つ。1970年に始まり、開催期間中はコーヒー農園ツアーやバリスタによるトレーニング、レシピコンテストなどに加えて、フラや音楽ライブ、地元の人々が集うマーケットなどが催される盛大なお祭りです。

2023年は11月3日から12日まで開催の予定。詳細なスケジュールは未定ですが、カイルア〜コナの街を舞台に20を超える多彩なイベントが行われます。ちなみに同イベントがスタートする11月3日は、日本では文化の日。まさにハワイの名産コナコーヒーを主役に据えた「コーヒー文化」に浸る10日間となりそうです。

コナコーヒーは、類まれなる品質の高さと稀少性によって世界屈指の高級コーヒーとして知られています。その薫り高いおいしさは、アメリカ大統領府のホワイトハウスでも認められているほど！ 歴代の大統領が愛飲し、ブルーマウンテンやキリマンジャロと並ぶ世界３大コーヒーの一角を担う逸品です。

そもそも、ハワイ島のコナでコーヒー豆が栽培されるようになったのはおよそ200年前。1825年、カメハメハ2世夫妻がイギリスを訪問した際、随伴したオアフ島総督が帰途でブラジルから苗を持ち帰ったのがきっかけだったとか。初めはオアフ島に植えられ、その後各島にも持ち込まれ、ハワイ島には3年後の1828年にもたらされました。良質で肥沃なコナの火山性土壌はコーヒーづくりに最適の地。欧米人資本家達のテコ入れによって栽培が順調に進み、1840年代には大規模な農園がいくつも誕生したといいます。

ところが20世紀に入ると、害虫被害や世界的なコーヒー価格の下落によって産業が衰退。それまで栽培の担い手だったポルトガル移民が軒並み牧畜業へ転じてしまいました。

その状況を救ったのが、日本からの官約移民でハワイを目指した日系移民の人々です。

記録によれば、1910年には少なくとも400世帯の日本人がコナに移住し、そのほとんどがコーヒー農家を営んでいたといいます。さらに20年代には人口の50%以上が日本移民で占められていたのだとか。当時は農場主が広大な農園を分割して貸し出し、地代をコーヒー豆で物納するというシステムが採られていたため、元手のない貧しい移民達が農場主になれるというチャンスがあったのです。

彼らは持ち前の勤勉さや慎ましさ、旺盛な研究心と創意工夫などによって、のちの大恐慌時代を耐え抜き、コナコーヒーを世界でも指折りのプレミアムコーヒーへと育て上げました。

ハワイ旅行のお土産の定番といえるコーヒーは、地元ハワイアンの生活にも深く根ざした嗜好品の1つ。自宅にゲストを招いた際に、おいしいコーヒーを振る舞いながらコミュニケーションを交わすのが一般的です。

ハワイに点在するクラブリゾートでも、集まった皆様にハワイアンコーヒーを楽しんでいただくことによって、クラブメンバー様同士やスタッフとの交流を深める機会をご提供するアクティビティ、「コーヒーソーシャル」が定期的に開催されています。

※「コーヒーソーシャル」は少人数催行のため完全予約制です。各リゾートでの開催スケジュールについては、リゾートでのチェックイン時にフロントデスクでご確認ください。

快適なステイを楽しんでいらっしゃるかどうか、何かお困りのことはないか、ゆったりとコーヒーを飲みながら重ねるコミュニケーションの一つひとつが、スタッフそれぞれの仕事に刺激を与え、様々な課題解決に生かされているそうです。

リゾートについての質問やご感想、観光を楽しむ際のアドバイスなど、どうぞお気軽にスタッフへ尋ねてみてはいかがですか。旅を豊かにするヒントが、こうしたアクティビティから見つかるかもしれません。